大好きなお菓子「パチパチパニック」を作る研究
ーはじけるあめを作りたい!ー
放課後研究室ナンデヤ?では、小・中学生が自分の興味・関心に基づいて、様々な研究やプロジェクト学習を行なっています。
主体性・探究する力や、問題を解決する力を育てる目的で、プロジェクトベースドラーニングの手法を取り入れています。
今回はそのような生徒の研究中の1つ「パチパチパニックを作る研究」についてご紹介します。
対話の中で、仮説を立て実験し考察するという研究の順序を、自然に実践してくれました。
パチパチパニックとは?
明治産業株式会社さんのオリジナルお菓子で、口の中に入れると「パチパチ」という音ともに、はじけるキャンディーです。子ども達に大人気の不思議なお菓子です。
アメの中に二酸化炭素をとじこめられないか
パチパチが炭酸飲料と似ていることに気づき、炭酸飲料は水に二酸化炭素が溶けたものであることを学んだ生徒は、「アメの中に二酸化炭素を閉じ込められないか?」と考えました。
そこで試した方法1つめが、「水あめの中にスプレーで炭酸ガスを入れる」という方法でした。
水あめにスプレーで炭酸ガスを注入(1回目)
まず、水あめの中に細いノズルのついたスプレーを差し込み、炭酸ガスを注入しました。試食を行なったところ、炭酸飲料のようなシュワシュワする感覚はありませんでした。
何が原因かを考える中で、「水あめがやわらかすぎるのではないか?」と仮説を立て、水あめに砂糖を加え更にねばりけを強めてもう一度やってみることになりました。
水あめにスプレーで炭酸ガスを注入(2回目)
水あめに砂糖を加えてねばりけを強めてガスの注入を行いましたが、やはり炭酸飲料のような感覚はありませんでした。材料の入れる順番を変更してリトライしましたが、やはりシュワシュワするような感覚はありませんでした。
水あめにスプレーで炭酸ガスを注入(3回目)
本物と比べた時に、水あめではやわらかすぎることが気になったので、今度はガス注入後に水あめを冷凍することになりました。しかし、ほんの少しシュワシュワ感はあるものの、思うようには得られませんでした。
炭酸ガスのスプレーではあめにガスが入らないのではないか?
そう考えた生徒が次に思いついた方法は、「重曹とクエン酸をあめの中で混ぜて二酸化炭素を発生させる」というものでした。
重曹とクエン酸をあめの中で混ぜる(もはや何回目か不明)
度重なる試行錯誤の末、水あめの中に重曹とクエン酸を入れて混ぜ、冷凍する方法で試作品を作ることになりました。
結果、はじめて炭酸飲料のようなシュワシュワ感が得られました!
口の中で泡が発生し、「パチパチ」する感覚はないものの、刺激強めのシュワシュワの楽しいあめが出来上がったのです!
しかしこのことによって、「パチパチ」と「シュワシュワ」する感覚は違うということに改めて気づかされることになりました。
その後も、加熱して溶かしたあめの中に重曹クエン酸を入れるなど様々な方法で試作を行いましたが、思うように結果は得られませんでした。
発売元の明治産業株式会社さんにお尋ねしてみよう
万策尽きたかと思い始めた頃、ふとしたことから、発売元である明治産業株式会社さんにお話を聞くことになりました。
生徒が知りたいことは、3つありました。
1つめ 材料は何を使っているのだろう?
2つめ どうやってはねさせているのだろう?
3つめ 味はどうやってつけているのだろう?
返事は来るのでしょうか…
返事が来た!パチパチの謎を知ることができた
明治産業株式会社の開発研究部の方がお返事をくださいました。
小2の生徒にわかる言葉で、しかもすべてふりがなつきで、返答を送ってくださいました。
子どものモチベーションに寄り添う形でご丁寧にご回答いただき、誠にありがとうございます。
本当に感謝しかありません。
いただいたお返事によって、パチパチパニックは、加熱して溶かしたアメの中に高圧で炭酸ガスを閉じ込めたものだと分かりました。
パチパチの謎の答えにたどり着くことができました。
また、これまでの研究で試した材料が、おおむね間違ってはいないことも分かりました。
ただ、やはり専門の装置や設備がないと完全に再現することは難しいということでした。
パチパチの謎を数ヶ月という長期にわたって追い続けた生徒の探究心や、試行錯誤することになっても諦めない姿勢には、お見事だなと感じさせられました。
この研究を側でサポートすることができて、良かったと感じております。
最後になりますが、この研究の進行につきまして、ご丁寧なご返答をくださった明治産業株式会社様はじめ、応援してくださった皆様には、心よりお礼申し上げます。
後日談〜このあめちゃんどうしよか?〜
研究をしていた生徒は、明治産業株式会社さんに感謝を伝えたいと思い、研究で使ったアメちゃんを手紙とともに送っていました😄
この生徒は、他にも研究してみたいことがあるそうで、応援していこうと思っています。
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